説明
「体配 style」
鎬造り庵棟、身幅やや細く重尋常、鳥居反り中鋒。茎は生で鑢目は筋違い、茎尻は浅い栗尻。
「地鉄 jigane」
板目肌が良く詰み地沸付き、地景を見せる。
「刃紋 hamon」
互の目乱れ、飛び焼きを焼き、羽緑微塵に沸が付き、砂流しかかり、銀筋走り、刃中は金筋がはいる。釯子は直ぐに入り小丸に返る。
「特徴 detailed」
加賀の『兼重』本名木下甚之丞は清次郎清光と共に新々刀期の先駆者として高名な刀工である。『兼重』は文化十二年、八代兼久、木下甚太郎の長兄として生まれた。兼久門下で業を修めて兼重を襲名。
同工三十歳のとき、『加陽金城住藤原兼重 弘化二年八月吉日作之』の年紀作にはじまり、後年の安政六年伊勢大掾の官位を受領しての作品『加州住伊勢大掾藤原兼重 万延元年八月吉日鍛之 行年四十五歳』の脇指がある。同工は美濃関『兼元』の末葉である『兼久』が江戸時代初期に加賀国に移住して木下家の祖となったという。刃文は当国の先輩兼若を模した大互の目・箱乱れや兼元風の三本杉を得意をしている。文久二年歿、享年四十七の早世であった。
本作は現在特別貴重刀剣鑑定書が付いていますが、保存刀剣の合格を保証します。
拵も時代の良い物が付いており、自信を持ってお勧めできる一振りです。
「拵 koshirae」
ハバキ(habaki) :銀無垢一重の腰祐乗。
鍔(tsuba) :鉄地変わり木瓜形菊透かし鍔。
縁頭(fhchikashira):赤銅魚子地新馬図。
目貫(menuki) :赤銅地新馬図。
柄(tsuka) :鮫は親粒が付き、柄巻きは正絹焦茶色の諸捻り巻き。
鞘(saya) :焦茶色に赤茶色の横筋が入った変り塗り。
「刀剣の状態 condition of blade」
研:概ね良好です。
傷: 欠点に成るような傷は有りません。