説明
「体配」
鎬造り庵棟、身幅重とも尋常、鳥居反りで反り頃合。茎は生で筋違い鑢がかかり茎尻は刃上りの栗尻。
「地鉄」
綾杉のような板目肌が実に良く詰み地沸が付く。
「刃紋」
綾杉肌の鍛に合わせた互の目を焼き、矢筈刃を見せ、刃中には金筋が入る。釯子は波紋なりに入り小丸に返る。
「特徴」
二代手柄山氏繁は、本名三木新兵衛。入道して丹霞と号しています。世界遺産で有名な姫路城の城下町にある、手柄山麓で鍛刀をしていました。
この二代氏繁の長子が三代氏繁、次子が四代氏繁です。四代氏繁は天明八年に白河藩主松平定信公の抱え工となり、知行5百石を与えられ寛政五
年に氏を三木から手柄山に名を氏繁から正繁と改める。五代氏繁は三代次男です。新選組二番隊組長、永倉新八の愛刀が手柄山氏繁の刀で、有名
な池田屋事件でも使われました。
本作は安永七年(1778年)に作られた刀で、珍しい綾杉肌を焼いています。納まる拵は刀と同年代の物で、小柄笄が付属した豪華な拵です。また登
録も京都の昭和26年4月で登録番号は京都府第312号で、京都府に存在した大名家に仕える、かなり身分の高い武士の差料だったと思われます。
本刀は現在拭い直しをしています。直刃調子の刃取を、本来の互の目の刃取に変えています。10月30日に研ぎ上がりますので、納品時には研ぎ上
がりのコンディションでお渡しします。
「拵」
ハバキ:素銅地金着一重の総祐乗。
鍔 :鉄地梅の図透かし耳には金唐草。
縁頭 :赤銅魚子地秋草に鹿の図。
目貫 :赤銅地軒丸瓦に雀の図。
柄 :鮫革は親粒が付き巻鮫、柄巻きは正絹焦茶細糸の諸摘み巻き。
小柄 :小柄袋は赤銅魚子地秋草の図、小柄の穂は倶利伽羅の彫物が入る。
笄 :赤銅牡丹の図。
鞘 :黒呂鞘、白鞘、つなぎ。
「刀剣の状態」
研:現在拭い直し中につき、納品時には研ぎ上がり状態。
傷: 欠点に成るような傷は有りません。