説明
<体配>
体配は鎬造り庵棟、身幅やや太く重尋常、鳥居反り、中鋒。茎は生で筋違い鑢がかかり、茎尻は栗尻と成る。
彫り物は片チリの棒樋が目釘穴辺りに掻き流しとなる。
<地鉄>
板目肌が棟寄りで流れ、地沸付く。
<刃紋>
刃紋は互の乱れで、刃緑微塵に沸が付き砂流しかかり、銀筋が流れる、刃中は刃中は金筋が入る。帽子は乱れ込みは掃き掻け小丸に返る。
<特徴>
甲斐國重光、本名は伊藤重光。昭和28年11月5日生まれ。山梨県甲府市住。師は故、宮入昭平(行平)師と、榎本貞吉師。昭和55年に独立。横綱稀勢の里の依頼で土俵入りの太刀などを鍛えています。新作刀名刀典には、昭和55年に初出品、平成24年に努力賞、平成25、26年には入選の経歴がある実力派の刀工です。
本作、豪壮な刀姿をしており、試斬用に作られた刀と思われ、バランスを取るために目釘穴付近まで樋が掻き流しと成り。目釘穴も2個開けられています。
また柄の状態や鯉口内側の状態、刀身の状態からみて、居合や試斬では使われていないと思われます。
<拵え>
ハバキ:素銅地一重の大阪ハバキ。
鍔 :鉄地高波透かし。
縁頭 :縁は波の図、頭は水牛の角。
目貫 :金地秋虫の図。
柄 :鮫革は黒染。柄巻きは牛表革黒の諸捻り巻き。
鞘 :黒呂。
<刀剣の状態>
研:良好です。
傷: 欠点に成るような傷は有りません。