説明
「刀姿 sword figure」
冠落とし造り庵棟、身幅細く重尋常、反り無しふくら鋭く枯れる。茎は生で鑢目は筋違い、茎尻は刃上がりの栗尻。
「地鉄 jigane」
地鉄は板目肌が流れ柾と成り、薄っすら映り立つ。
「刃紋 hamon」
刃紋は直刃調の湾れ刃で、刃緑沸付き砂流しかかり、刃中は金筋が栄んに入る。釯子は刃紋成りに入り尖り小丸に返る。
「特徴 detailed」
宇多とは鎌倉時代末の文保頃の古入道国光を祖とする刀工群であり、南北朝時代時代を経て江戸時代初期まで続きます。鎌倉時代末期から南北朝時代にかけての作品を古宇多、室町期の作品を宇多と言います。
本作は室町時代後期に作られた短刀で、刺突様にふくらが枯れ鋭く感じます。
鑑定は日本美術刀剣保存協会の6月審査に合格したばかりなので、鑑定書の受領は11月の予定です。到着後直にお送りします。
「拵 koshirae」
幕末に作られた合口拵、鞘に割れ等は無くコンディションは良好です。
ハバキ(habaki) :素銅地一重の腰祐乗に金鍍金。
合口金具頭(Aikuchi-kanagu,kashira):鉄地鬼面の図金銀象嵌。
目貫(menuki) :素銅地鬼面の図。
栗形(kurikata):素銅地鬼面の図。
柄(tsuka) :鮫は親粒が付く。柄糸は正絹薄茶の蛇糸で諸撮み巻き。
鞘(saya) :焦げ茶色の石目艶。
「刀剣の状態 condition of blade」
研:古研ぎのため、少しヒケが有ります。
傷:一箇所ほつれが有りますが、その他は欠点に成るような傷は有りません。