説明
「体配 style」
平造り庵棟、身幅重尋常、反り僅かふくら程良く枯れる。茎は生で鑢目は筋違い、茎尻は栗尻と成る。
「彫物 carving」
表裏に護摩箸が彫られる。
「地鉄 jigane」
地鉄は板目肌に杢が交じり、地沸付く。
「刃紋 hamon」
刃紋は湾れ互の目、尖りを交え飛び焼きを焼き、足入り、刃中は葉が入る。釯子は浅く入り尖り返り、鋒には葉が入る。
「特徴 detailed」
紀伊國治光作、本名は大川治、昭和11年生まれ、新宮市在住。
十七歳の時、父大川哲氏に師事、刀工としての道に入った。後に河内国平刀匠に学んだ。
平成十六年にはその功績を認められ、和歌山県の名匠に指定されている。
本作、綺麗な姿をした短刀で、研ぎは那智勝浦町の文化勲章受章者、故川上師が研いだ物です。
拵は白鞘が傷んでいたので、それを利用して作りました。金具類は現代物です。柄は巻鮫で親粒が付いています。鞘は古い鞘でピッタシの物が有ったので、鯉口の調整をして利用しました。小柄は新物です。
拵は凄く綺麗に仕上がったで、本短刀は居合、試斬、弓道の前差や、御守刀に最適です。
「拵 Koshirae」
ハバキ(habaki) :銀無垢一重の腰祐乗。
鍔(tsuba) :素銅地金鍍金唐童の図。
縁頭(futikasira):銀地竹籠の図。
目貫(menuki) :銀地笹竹の図
柄(tsuka) :柄は親粒が付き巻鮫。柄糸は正絹黒の諸撮み巻。
小柄(kotsuka):海老の図。
鞘(saya) :焦げ茶石目。
「刀剣の状態 condition of blade」
研:概ね良好です。
傷:欠点に成るような傷は、有りません。