説明
「体配 style」
平造り庵棟、身幅やや太く重尋常、反り僅かふくら程よく枯れる。茎は生で鑢目は筋違い、茎尻は栗尻。
「地鉄 jigane」
地鉄は、板目肌が流れ心と成り、良く詰み、乱れ映りが現れる。
「刃紋 hamon」
刃文は、華やかな逆さががった丁子乱れで、匂口柔らかく締まり小沸が付き、逆足長く入り働く。帽子は乱れ込み深く返り、そのまま棟を焼く。
「特徴 detailed」
周防国善昭、本名を杉田昭二といい、昭和25年2月5日に山口県に生まれる。昭和50年6月、島根県の川島忠善刀匠に入門し、7年の修行後に独立し郷里の山口県防府市に鍛刀場を設ける。杉田刀匠の焼入れ方法は刀身に土置きをする通常ものと異なり、いわゆる、焼刃土を塗らない裸焼きやズブ焼きと呼ばれる焼入れ方法であり、成功する確率も高くない。作位は古作の備前一文字派や備中青江派の次直などを彷彿とさせる変化に富んだ乱刃を見事に焼きあげる。古刀の雰囲気を醸し出す杉田刀匠の作品は国内外においても高い評価を得ている。新作刀コンクールにおいて特賞の薫山賞2回、寒山賞1回、そして優秀賞3回、努力賞2回をはじめとして数多くの賞を受賞されている。平成24年4月1日、62歳で死去。
本作は、得意とする青江次直を写したもので映りも立ち、杉田善昭刀匠の高度な技量と感性が見事に呈された作品です。
杉田刀匠の短刀は特に希少ですから、お求めの御客様は、この機会をお見逃しなきようにお願いします。
「拵 koshirae」
ハバキ(habaki) :素銅地金着一重。
鞘(saya) :白鞘。
「刀身の状態 condition of blade」
研:良好です。
傷:傷は有りません。