説明
「刀姿 sword figure」
鎬造り庵棟、身幅重尋常、鳥居反り中鋒。茎は生で鑢目は筋違い、茎尻は栗尻。
「彫物 carving」
表裏に片チリの棒樋が鎺下に掻き流し。
「地鉄 jigane」
地鉄は小板目肌が良く詰み地沸付く。
「刃紋 hamon」
刃紋は刃区より直刃を焼き、その先互の目乱れとなり匂口深く沸付き足入る、刃中は砂流金筋がかかる、帽子は乱れ込み小丸に返る。
「特徴 detailed」
和泉守國貞は天正十七年日州飫肥に生まれ、上京して堀川國廣の門人となる。國廣没後は國廣の高弟である越後守国儔に学び、後に初代河内守國助と共に大阪に移り、大坂新刀創始者の一人となった名工です。なお息子の井上真改も初期銘を國貞と銘したので、これと区別するために初代國貞を「親國貞」二代国貞を「真改國貞」と呼称しています。
本作、大阪に移って直後の初期作で寛永頃の作品です。拵も良い金具が付いており、新刀上々作、大業物を手に入れられるチャンスです。
「拵 Koshirae」
ハバキ(habaki) :銀無垢一重の腰祐乗。
鍔(tsuba) :赤銅魚子地。
縁頭(futikasira):素銅地道成寺の図。
目貫(menuki) :赤銅地金色絵鬼の勧進帳。
柄(tsuka) :鮫は親粒が付く、柄巻は正絹黒の諸撮み巻き。
鞘(saya) :鞘塗りは焦茶の呂色塗り。
小柄(kozuka) :赤銅魚子地百合の図。
「刀剣の状態 condition of blade」
研:概ね良好です。
傷:欠点に成るような傷は有りません。