説明
「体配 style」
鎬造り庵棟、身幅重尋常、鳥居反り中鋒。茎は生で鑢目は筋違い、茎尻は入山形。
「地鉄 jigane」
板目肌に地沸付く。
「刃紋 hamon」
刃文は互の目乱れ、帽子は乱れ込み小丸に返る。
「特徴 detailed」
貝三原とは現在の、尾道市北部の尾道市木ノ庄町木梨、更に北に八キロの尾道市御調町貝ヶ原付近を指し、ここで南北朝期から室町時代末期に至るまで非常に栄えた備後鍛冶刀工群を総称して貝三原、三原と呼んでいます。正久、正興、正賀、正盛、正廣、正真、正近などの名が良く知られています。本作の正久は、備州三原住正久、備州三原住正久作、三原住正久、備州三原住貝正久作、などと長銘を切り、天文元年、二年、八年の年紀入りの作品が現存しています。
本作の三原住正久は慧眼した事が無く、貴重な脇差です。銘は悪くないと思います。
「拵 koshirae」
ハバキ(habaki) :素銅地銀着一重の腰祐乗。
鍔(tsuba) :鉄地木瓜形鍔。
縁頭(fuchikasira) :赤銅磨き地(無地)。
目貫(menuki) :鳥の図。
小柄(kotsuka):現代物の新品で貝尽しの図、小柄の穂はステンレス。
柄(tsuka) :柄糸は正絹紺色の諸捻り巻。
鞘(saya) :黒呂。
「刀身の状態 condition of blade」
研:概ね良好ですが、薄錆の出ている箇所があります。
傷:欠点になるような傷は有りません。