説明
「体配 style」
鎬造り庵棟、身幅重尋常、鳥居反り中鋒。茎は生で鑢目は鷹の羽、茎尻は刃上がりの剣形。
「地鉄 jigane」
板目肌が流れ、地沸付く。
「刃紋 hamon」
互の目乱れ、刃緑荒沸が付き砂流し栄んにかかり銀筋が縫い、飛び焼きを焼き、刃中金筋、稲妻を見せる。釯子は刃紋成りに入り小丸に返る。
「特徴 detailed」
加州住藤原兼重、本名、木下甚之丞、父は木下甚太郎兼久。安政六年(1859)伊勢大掾を受領、その後「加州住伊勢大掾藤原兼重」等の銘を切る。文久二年(1862)歿、享年四十七歳。
本作、安政二年(1855)40歳時の作で、伊勢大掾受領前の作ですが、彼の特徴が良く出た力作で、力強く覇気が有る一振りです。
「拵 Koshirae」
ハバキ(habaki) :銀無垢一重加州ハバキ。
鍔(tsuba) :鉄地龍の図金象嵌。
縁頭(futikasira):鉄地龍の図。
目貫(menuki) :赤銅地軍師の図。
柄(tsuka) :鮫革は親粒が付き巻鮫。柄糸は正絹黒色の諸摘み巻き。
鞘(saya) :黒呂。
「刀剣の状態 condition of blade」
研:良好です。
傷:欠点に成るような傷は有りません。