説明
「体配 style」
鎬造り庵棟、身幅やや細く重尋常、鳥居反りで中鋒。茎は生で鑢目は筋違い、茎尻は栗尻。
「地鉄 jigane」
板目肌に柾目が交じり、地沸付く。
「刃紋 hamon」
互の目乱れ、匂口明るく飛び焼きを見せ、刃緑砂流し栄んにかかり銀筋が走り、刃中金筋、葉が入る。釯子は刃紋成りに入り小丸に返る。
「特徴 detailed」
初代安国は武州下原鍛冶の下原広重の子として八王子に生まれる。初銘は藤太廣重、江戸に出て大村加ト
の門人になり武蔵太郎安国と名のる。貞享二年(1685年)水戸家からの注文で天下の副将軍で名高い水戸
光圀候の佩刀を製作しています。享保六年(1721年)八代将軍徳川吉宗公の命により水戸家を代表して江
戸浜御殿にて上覧鍛冶を務める。また小説「大菩薩峠」の主人公机龍之助の愛刀として小説が発表される
や一躍有名になりました。
本作は、彼のいつもの出来とは違う、激しい刃を焼いた刀で、多分注文打ちだったのでしょう。
付属する拵は特別貴重小道具に認定された江戸時代の拵です。
「拵 Koshirae」
ハバキ(habaki) :銀無垢一重の腰祐乗。
鍔(tsuba) :鉄地肥後花桐図銀象嵌。
縁頭(futikasira):鉄地蝶散図。
目貫(menuki) :赤銅地秋草の図。
柄(tsuka) :鮫は親粒が付く。柄糸は正絹黒の諸摘み巻き。
鞘(saya) :黒変塗鞘。鯉口とコジリに鉄金具が付く。
「刀剣の状態 condition of blade」
研:良好です。
傷:欠点に成るような傷は有りません。