説明
「体配 style」
鎬造り庵棟、身幅やや細く重尋常、腰反り強く中鋒、やや区が送られています。茎は生で鑢目は筋違い、茎尻は刃上りの栗尻。
「彫物 carving」
片チリの棒樋がハバキ下に掻き流し。
「地鉄 jigane」
板目肌に柾交じりよく詰む。地沸微塵につき白気調の映り立つ。
「刃紋 hamon」
小沸出来の、ゆったりとした湾れを基調とした刃に、互の目丁子乱れ、小互の目や小丁子入り、刃縁には砂流しと金線がよく働く。帽子は刃紋なりい乱れこみ、先、火炎状となり、やや深く小丸へと返る。
「特徴 detailed」
美濃千手院派は、平安末期より続く大和国千手院派が、南北朝期に美濃国赤坂に移住した一派です。美濃国赤坂に住し鍛刀しましたので、赤坂千手院とも呼ばれています。祖となる刀匠は、南北朝初期は貞和頃の国長と云われています。美濃千手院派は室町時代後期まで繁栄しました。
長廣は室町中期の寛正頃(1460 – 1466)に活躍した刀匠です。刀身は少し区が送られていますが2尺3寸7分有る事から、元は2尺4寸以上の反りの強い太刀だったと思われます。刀身は古研のため、汚れがあり曇っていますが、研ぎ直せば見違えるでしょう。
また樋が入っているので、居合でも使えます。
「拵 Koshirae」
ハバキ(habaki) :素銅地金着一重の総祐乗。
鍔(tsuba) :鉄地長丸形槌目。
縁頭(fhchikashira):赤銅魚子地秋草秋虫図(美濃)。
目貫(menuki) :赤銅魚子地秋草秋虫図(美濃)。
柄(tsuka) :鮫は親粒が付き巻鮫、柄巻は納戸色の諸摘み巻。
鞘(saya) :黒呂。
「刀剣の状態 condition of blade」
研:古研のため曇っており、汚れ等有ります。
傷:欠点に成るような傷は有りません。