説明
「体配」
鎬造り庵棟、身幅重共尋常く、鳥居反りで中鋒。茎は生で化粧鑢がかかる、茎尻は刃上がりの栗尻。
「地鉄」
梨地肌に地沸付く。
「刃紋」
小沸出来の中直刃。帽子は直に入り小丸に返る。
「特徴」
興亜一心刀(満鉄刀)、昭和十年代から終戦まで、南満州鉄道株式会社(満鉄)が「興亜一心刀」と名命し大連で製作した刀剣の事を言う。鉄道会社が作った刀剣と言う事で材料にはレールを使っていると 言うような誤った事実が昔から言われてきたが、そうでは無く、本当は満鉄が独自に鋼を開発し、新工法による量産可能で高性能な極寒地対応の耐寒刀としての性能を併せ持つ刀剣である。
本作は「昭和癸未春」から昭和18年(1940年)に製造された刀剣で、茎のハバキ元に「南」棟には「ユ526」の刻印が入る。また付属する98式軍刀拵はオリジナルの物で刀身と同じく満鉄で作られたと思われます。金具類の シリアルは全て「192」の刻印が打たれ、鍔は98式軍刀の初期型の透かし鍔を装着した非常に貴重な物です。
最近は満鉄刀の偽物や、満鉄刀の刀身にオリジナルではない98式軍刀拵を合わせた物が出回っていますが、本刀は刀身、拵とも満鉄で作られたオリジナルです。
「拵」
オリジナルの98式軍刀拵が付属します、98式軍刀拵は程度の良い物で、金具類もシリアルNOが「192」で揃っています。また尉官の刀緒が付属します(切れています)。
ハバキ:素銅地銀鍍金
「刀身の状態」
研:古研ぎのため、薄錆や汚れがありますが、拭い直せば綺麗になります。
傷:欠点に成るような傷はありません。