説明
<体配>
鎬造り庵棟、身幅重尋常、鳥居反り中鋒、茎は生で鑢目は角度のきつい勝手下がり、茎尻は入山形。
<地鉄>
地鉄は小板目肌が良く詰み、地沸付き、地沸入る。
<刃紋>
波紋は丁子に互の目交じり、足良く入り匂深く、小沸よくつき砂流し頻りにかかり、刃中は葉、金筋入る。帽子は直ぐに入り、掃き掛け小丸に返る。
<特徴>
初代忠国は初代忠吉の門。慶長三年(1598)に生まれ。父は本名を橋本六郎左衛門といい、初代広貞である国広の弟として生まれ、初銘を肥前国住人広則と称し、後に吉家と改銘する。
寛永十一年(1634年) 三十七歳で播磨大掾を受領を機会に忠国と改銘、同時に小城藩の抱工となる。後に播磨守を受領し肥前住播磨守藤原忠國と銘を切る。
晩年には入道し休鉄と号した。元禄四年(1691年)九十四歳にて没した。
新刀上作に列せられている、匂口の深い互の目乱を得意とする技倆の極めて優れた肥前の刀工です。
本作は生で、二尺四寸二分の長さがあり、精緻な地鉄に匂口の深い夏雲を思わせるような刃を焼いた逸品です。
<拵え>
ハバキ:素銅地銀着一重に縦鑢。
鍔 :鉄地冥加透かしの図。
縁頭 :赤銅魚子地金磨り減らし。
目貫 :赤銅地虎の図
柄 :柄は親粒が付き巻鮫、柄巻きは正絹黒色の諸捻り巻き。
鞘塗 :黒呂。
<刀剣の状態>
研:差表の三っ頭に少し錆が有りますが、無料で除去(部分研ぎ)させていただきます。
傷: 欠点に成るような傷は有りません。