説明
「刀姿 sword figure」
鎬造り庵棟、身幅広く重太い、鳥居反りで大峰。茎は生で化粧鑢がかかり、茎尻は刃上がりの栗尻。
「彫物 carving」
彫り物は片チリの棒樋がハバキ下に掻き流しと成る。
「地鉄 jigane」
地鉄は、板目肌、地沸付く。
「刃紋 hamon」
刃紋は、沸出来の互の目、尖り刃が交じり、飛び焼きを焼き、砂流し栄んにかかり、刃中は葉・金筋が入る。鋩子は乱れ込み小丸へと返る。
「特徴 detailed」
延秀、銘は大山々麓佐川住延秀作、伯耆国住延秀とも切る、本名は前田秀志、昭和3年8月18日生まれ、鳥取県日野郡江府町佐川在住。師は川島忠善の弟子である父前田喜太郎刀匠(刀匠銘:義輝)。
延秀刀匠の刀は切れ味優れることで世界に知られており、特に抜刀の世界では神がかった性能を有する名刀です。 現に真剣を使った武道でギネスの認定を受けられた抜刀道龍星剣宗家、猿田光廣先生曰く「試し斬りしてちゃんと斬れるものが名刀です」の愛刀として有名な御刀です。 猿田氏は、平成10年9月20日、名古屋東海テレビテレピアホールにて千本斬りを1時間36分36秒で見事達成。竹を1本芯にしてそこにゴザ1本分をきつく巻いたもの1000本を1人で斬りました。 途中で刀を替えることなく、1本の斬り損じもなく1人で1000本を連続して斬り納めたことがギネスに認定されました。2000年11月、正式にギネスブックに掲載されます。
またラストサムライに出演した、俳優で武道家のリ-村山先生も延秀を愛刀としており、殺陣と試斬を融合させてた素晴しい演武を国内のみならず海外でも幅広く披露しています。
本刀は樋は彫られていますが、身幅広く平肉薄く、試斬用に作られた物と思われます。
傷が有りますが、傷が出るのが延秀刀匠の特徴でも有るため、試斬には何ら影響は有りません。
本作は、差表の中程からやや鎺寄りの平地に6mm×2mmmくらいの傷が一箇所ありますが、試斬には全然問題は有りません。
刃紋は、通常の延秀刀匠の刃紋では無いため、注文打の影打ちだと思われます。
拵のコンディションは良く、直ぐに試斬で使えます。
「拵 Koshirae」
拵のコンディションは良いです。柄糸の使用感もあまり有りません。
ハバキ(habaki) :素銅地一重の大坂鎺。
鍔(tsuba) :鉄地葵の図。
縁頭(fhchikashira):鉄地肥後。
目貫(menuki) :金地龍の図。
柄(tsuka) :鮫は親粒が付く、柄巻きは正絹黒の諸捻り巻き。
鞘(saya) :黒呂。
「刀剣の状態 condition of blade」
研:居合研ぎですが、刃は良く見る事でき、刃の働きが凄いです。
傷:差表の中程からやや鎺寄りの平地に6mm×2mmmくらいの傷が一箇所あります。その他は健全です。