説明
「体配 style」
鎬造庵り棟、身幅重尋常、鳥居反りで中鋒。茎は生で鑢目は切、茎尻は刃上がりの栗尻。
「彫物 carving」
片チリの棒樋が、ハバキ下で丸留と成る。
「地鉄 jigane」
板目肌に地沸付く。
「刃紋 hamon」
互の目乱れ、刃緑沸が付き砂流し栄んにかかり、刃中は金筋、葉が入る。釯子は直ぐに入り掃き掛け小丸に返る。
「特徴 detailed」
肥前國源宗次(初代)、本名、境三右衛門宗次、銘は肥前國住伊予掾源宗次とも切る。父は境内蔵丞正次で戦国大名鍋島家の家臣。文禄の役では藩主、鍋島直茂に従い朝鮮に渡海している。
その後、宗次は慶長十一年(1606)伊予掾を受領するが、同時に掾司ノ頭を拝命する。慶長十六年(1611)知行十四石で鍋島家に召し抱えられ、藩主より多数の注文を受けている。
肥前新刀と言えば忠吉家が上げられるが、実は宗次家の方が少し古い。
肥前刀と言えば銘を太刀銘に切るのが定説ですが、宗次は刀銘に切ります。本作は太刀銘に切っているため銘の正真は分かりません。ただ鍛え割れ等の傷も無く、刀身の重量が軽いため居合用の真剣として安く販売します。刀身は古研ぎのためヒケや薄錆が有りますが、居合で使用するのには差し支えないでしょう。
また居合で使用される場合は柄のまき直しをお勧めします。柄巻きは税込み16,500円で承ります。
「拵 Koshirae」
ハバキ(habaki) :素銅地銀着一重の腰祐乗。
鍔(tsuba) :鉄地変わり木瓜形菊透かし。
縁頭(futikasira):赤銅地牛の図。
目貫(menuki) :赤銅地蓮の図。
柄(tsuka) :鮫は親粒が付き巻鮫。柄糸は正絹黒の諸摘み巻き。
鞘(saya) :黒呂。
「刀剣の状態 condition of blade」
研:古研ぎでヒケや薄錆が有りますが、地刃は良く見えます。
傷:鍛え割れ等の傷は有りません。