説明
「体配」
片切刃造り庵棟、身幅重とも尋常、ふくら程よく枯れる。茎は生で化粧鑢がかかり茎尻は栗尻。
「彫り物」
差表には草の俱利伽羅、差裏には護摩箸が彫られる。
「地鉄」
板目肌が流れ柾となり、地沸つく。
「刃紋」
刃文は互の目、刃緑砂流し盛んに入り、刃中は銀筋、金筋が入る。帽子は差表は深く入り尖り気味に深く返る、差裏は浅く入り小丸に深く返る。
「特徴」
初代月山貞一は、本名月山弥五郎。天保七年に江州須越村に生れ、七歳にして月山貞吉の養子となる。若くして鍛刀技術に優れた才能を発揮し、明治三十九年四月に帝室技芸員(現在の重要無形文化財)に任ぜられた。また刀身彫刻の名手でもあり、明治期を代表する名工である。
本作は、月山貞一(帝室技芸員)による刀で、特筆すべき点は、非常に珍しい片切刃造りです。通常短刀は平造りですが、本作は片切刃造りに彫刻を掘ってあります。
付属する合口拵も同時代の物で、痛みも少なく朱漆が冴えています。
ハバキ:素銅地金着二重。
拵 :暗朱塗の合口拵、縁頭、鯉口、コジリは金泥が塗られる。
「刀剣の状態」
研:良好です。
傷: 欠点に成るような傷は有りません。