説明
「体配 style」
冠落し造り庵棟、身幅重尋常、反り僅か。茎は生で鑢目は筋違い、茎尻は刃上りの栗尻。
「地鉄 jigane」
小板目肌に地沸付く。
「刃紋 hamon」
刃文はハバキ元から互の目を焼き、途中から直刃と成る、帽子は直ぐに入り小丸に返る。
「特徴 detailed」
『兼先』は古刀期の文禄頃に美濃関鍛冶の『日置伊助』が実子『日置惣右衛門』(初代新刀兼先)を伴い備前岡山に来住し鞴を構えた。寛永九年(1632)、『日置九郎右衛門』(二代兼先)は岡山藩主「池田忠雄」の死去に際して嫡男の「池田光仲」が因幡への移封するのに随って鳥取鍛冶町に移り屋敷を拝領し、以降八代まで国持大名である三十二万石因幡池田家に仕え藩候の需に応じ鍛刀に励んでいる。
本作は冠落しの寸延短刀で、新々刀の兼先と極められている。拵は幕末の物で素銅合口金具の一作で仕上げられた良い物です。コレクションや居合の前差に最適です。
「拵 koshirae」
ハバキ(habaki) :素銅地一重の腰祐乗。
鍔(tsuba) :素銅地銀覆輪の食み出し鍔。
合口金具(aikuchikanagu) :素銅石目地講武所金具。
目貫(menuki) :金地獅子の図。
小柄(kotsuka):素銅地七福神の図、
柄(tsuka) :鮫革は、柄糸は正絹金茶色の諸捻り巻。
鞘(saya) :春慶塗。
「刀身の状態 condition of blade」
研:古研ぎのため、汚れやヒケが有りますが、錆は無いです。
傷:少し肌立っている所が有ります。