説明
「体配」
鎬造り庵棟、身幅重とも尋常、鳥居反り中鋒。茎は生ぶで筋違い鑢がかかり茎尻は剣形。
「地鉄」
板目肌に小板目が混り、地沸付く。
「刃紋」
小沸出来の中直刃がやや湾れ、刃緑沸が付き砂流しかかる。釯子は直に入り小丸に返る。
「特徴」
初代の國輝は名を三好太郎兵衛、初銘は金長で「三好藤四郎長國」の門。國輝は伊予松山藩のお抱え鍛冶で、正保元年(1644)、20石5人扶持寄合大小姓役となる。
伊予松山藩3代藩主、松平定長の時代は諸事倹約令を厳しく実行したが、国輝はおかまいなしであったという。後に「金長」を「國輝」に改めて、寛文九年には和泉大掾を受領、元禄九年(1696)没、行年七十歳。
本作は幕末の小刀拵(ちいさかたなこしらえ)に入った小脇差で、短刀のような使い方をされていたのでしょう。刀身には鍛割れや膨れ等の傷は無く、拵のコンディション良く、鑑賞用や居合の前差に最適です。
松山に縁の剣士の方々、前差にどうですか。
「拵」
ハバキ:素銅地縦鑢。
鍔 :素銅地槌目。
縁頭 :頭は赤銅魚子地、縁は赤銅石目地。
目貫 :素銅地金鍍金の唐獅子牡丹。
柄 :柄巻きは革に漆塗りの片手巻。
鞘 :焦茶石目塗り。
「刀剣の状態」
研:古研のため多少ヒケは有りますが、地刃は良く見えます。
傷: 欠点に成るような傷は有りません。