説明
「体配 style」
鎬造り庵棟、身幅やや細く重は厚い、鳥居反り中鋒。茎は生で化粧鑢がかかる、茎尻は栗尻。
「彫物 carving」
片チリの棒樋が、茎尻まで掻き通しと成る。
「地鉄 jigane」
地鉄は柾目肌が流れ、地沸が厚く付く。
「刃紋 hamon」
刃紋は小互の目が小さく湾れ、砂流しかかり、刃中金筋が入る。釯子は金筋が履き掛け尖り気味に返る。
「特徴 detailed」
藤原玉英、本名は新井龍右衛門、別銘「万龍右衛門玉英造之」「隻龍子玉英造之」「隻龍子藤原玉英」とも切る。初め万定則と名乗り鳥銃を作る。一関士武広安英につき鍛刀を始め、その後大慶直胤の門に入る。登米住。仙台藩主伊達陸奥守に召し抱えられ士分に列する。文久2年9月22日鬼籍に入る。
本作、少し湾れた柾目肌が良く詰んだ地鉄に、小互の目を焼き刃縁砂流し栄んにかかり、刃中は金筋が入り働きが抜群です。体配は重は厚いですが、刀身はやや細くスラっとした優美な姿をしています。細い柾割れが一か所有りますが余り目立たないです。この刀は一目見た時から何か引き付けられる刀です。
拵は幕末の拵です、柄は正絹黒の細糸8本を編み上げた素晴らしいもの、目貫の龍は金無垢かも知れません。鍔は鉄地の鍔に平戸七宝にて龍を描いている素晴らしいものです。
この素晴らしい刀を、是非あなたのコレクションに加えて下さい。
「拵 Koshirae」
ハバキ(habaki) :素銅地金着一重の変わり鎺。
鍔 Tsuba :鉄地木瓜形龍に七宝。
縁頭 FuchiKashira :縁は赤銅磨き地龍金象嵌。頭は水牛の角。
目貫 menuki :金地雲龍の図。
柄 Tsuka :正絹黒細糸8本を編み、その上に漆をかけています。
鞘 Saya :黒呂。
「刀剣の状態 condition of blade」
研:良好です。
傷:欠点に成るような傷は有りません。