説明
「体配 style」
鎬造り庵棟、身幅重尋常、鳥居反り中鋒。茎は2寸ほど磨り上げらていますが、オリジナルの化粧鑢が残っています。茎尻は一文字に切られる。「彫物 carving」
片チリの棒樋がハバキ下で丸留。「地鉄 jigane」
地鉄は小板目肌に、杢目肌が交じり地沸厚く付く。「刃紋 hamon」
刃紋は小沸出来の中直刃、刃縁砂流しかかり、刃中金筋が入る。釯子は直ぐに入り小丸に返る。「特徴 detailed」
陸中國宗明は本名を保田宗明、初名を文吉といい、一関藩田村家の藩士です。嘉永頃、藩命により江戸へ上り桑名藩の刀工固山宗次の門人になり、
安政三年に23歳で宗次の技を会得し宗明の銘をもらい、一関士宗明と号するようになります。銘は、一関士宗明、陸中一関住久保田宗明とも切る。
作柄は師が得意とした備前伝互の目乱刃を焼き、匂に沸を強調し特に切れ味に意を注ぐと云われた刀匠ですが、自身の差料は直刃を焼いた言われます。
本作、良く鍛えた地鉄に中直刃を焼いた刀で、宗明自身の差料だったのでしょうか。
刀身は重量軽く反りも頃合いで、バランス良く。拵はシッカリしており、鑑賞用以外に、居合で使えます。是非、女性の居合用真剣として使って下さい。「拵 Koshirae」
ハバキ(habaki) :素銅地銀着一重の縦鑢。
鍔(tsuba) :鉄桧垣鑢目布目象嵌(図柄は不明、古い物)。
縁頭(futikasira):赤銅魚子地武者の図。
目貫(menuki) :赤銅地武者の図。
柄(tsuka) :柄は親粒が付き、柄巻きは正絹焦茶色の諸撮み巻き。
鞘(saya) :鯉口は千段刻みで濃緑に塗られる、千段以外は茶石目。「刀剣の状態 condition of blade」
研:良好です。
傷:欠点に成るような傷は有りません。