説明
「体配 style」
鎬造り庵棟、身幅太く重尋常、中間反り中鋒が延び心と成る。茎は生で鑢目は筋違い、茎尻は栗尻。
「彫物 carving」
片チリの棒樋がハバキ下に掻き流し。
「地鉄 jigane」
地鉄は小板目が良く詰み、地沸厚く付く。
「刃紋 hamon」
刃紋は互の目乱れ、刃緑厚く沸が付き、砂流しかかり、刃中は金筋が入る。釯子は乱れ込み小丸に返る。
「特徴 detailed」
二十三代藤原兼房、本名は加藤鉀一、明治33年2月8日生まれ、元陸軍受名刀工、室町時代から続く藤原兼房の二十三代目。 戦前は帝展で入選、入賞、戦後は作刀技術発表会、特選、優秀賞を受賞、昭和天皇、皇后陛下の御前にて栄誉ある鍛錬をし、皇太子殿下 (今上天皇)、ブラジル大統領、ヘレンケラー女史等に献上、また大相撲の夏場所(名古屋場所)の勝利者賞を作刀する。
本作、兼房刀匠の79才の作品ですが、衰えるどころか更に円熟味を増した、豪壮な素晴らしい作品です。
また目釘穴が2個開いていますが、付いている登録証は文化庁の作刀承認番号が記載された物で、目釘穴の数は2個と記載されているので、生の目釘穴数です。
「拵 koshirae」
ハバキ(habaki) :銀無垢二重の金鍍金。
鞘(saya) :白鞘(鞘書き有り)。
「刀身の状態 condition of blade」
研:良好です。
傷:欠点に成るような傷は有りません。