説明
「体配 style」
鎬造庵棟、身幅太く重尋常、鳥居反り中鋒、茎は化粧鑢がかかり、茎尻は栗尻。
「彫物 carving」
片チリの棒樋が茎尻に掻き通し。
「地鉄 jigane」
地鉄は小板目肌が良く詰み、地沸厚く付く。
「刃紋 hamon」
刃紋は濤乱刃(とうらんば)で、刃緑沸が厚く付き砂流しかかり、刃中は金筋が盛んに入る。釯子は乱れ込み掃き掛け小丸に返る。
「特徴 detailed」
美濃國兼國、本名尾川光敏、昭和28年生まれ、岐阜県山県市在住、師は父の尾川兼圀。
兼國刀匠は会社員をしていましたが、昭和61年33歳のときに父に弟子入りします。二代目を継承したのちは「兼國」を名乗りました。初代・二代目ともに「かねくに」と読みますが、初代兼圀とは違い、二代目は「國」という漢字を用いている。
その後、「新作刀展」にて、毎年最高賞の文化庁長官賞、日本美術刀剣保存会会長賞、薫山賞の数々の特賞を受賞し、平成21年に無鑑査認定を受けた。
兼國刀匠の作品の特徴は、打ち寄せる大きな波を思わせる相州伝の濤乱刃と呼ばれる刃文で、これは先代も得意とした刃紋です。その技法を受け継ぎ発展させ、数々の刀剣を作刀し、平成31年には「平成の名刀・名工展」において名工選を受賞した。
作刀活動以外にも、平成23年には全日本刀匠会理事兼東海地方支部の支部長を務め、日本刀の文化保持と今後の発展に尽力しています。
そして、本年(令和5年3月)岐阜県重要無形文化財に認定されました。
本作、良く鍛えた地鉄に得意の濤乱刃を焼いた逸品です、是非あなたのコレクションに加えて下さい。
「拵 koshirae」
ハバキ(habaki) :素銅地金着一重の縦鑢。
鞘(saya) :白鞘。
「刀身の状態 condition of blade」
研:良好です。
傷:欠点に成るような傷は有りません。