説明
「体配 style」
鎬造り庵棟、身幅重尋常、中間反り小鋒。茎は生で鑢目は鷹の羽、茎尻は刃上がりの栗尻。
「地鉄 jigane」
小板目肌が良く詰み、地沸厚く付き、地景が入る。
「刃紋 hamon」
沸出来の互の目が逆さがかり尖り刃を交え、刃緑良く沸が付き、砂流し栄んにかかり、刃中は葉が入り、金筋が輝る。釯子は浅く入り小丸に返る。
「特徴 detailed」
兼啓刀匠は、本名藤井啓介、昭和35年神戸市出身生まれ。丹波篠山市住、彼は二十七兼元刀匠(金子孫六)の唯一の弟子で、新作刀展に多数入選の実績が有る実力派の刀匠です、まさしく二十八代兼元を襲名してもおかしくないでしょう。
この刀は彼が独立後に鍛錬場を設けていた、静岡県周智郡森町で製作されたものです。
その後平成14年に兵庫県多紀郡今田町の立杭に鍛錬場を開設し現在に至っています。
(藤井啓介鍛錬場のホームページ http://www.eonet.ne.jp/~katanakaji/index.html)
私は、兼啓刀匠が今田町に来られたて暫く経ってから知り合いになり、弊社の特注刀剣の刀身を多く作っていただいたり、色々な相談に乗っていただいたりしました。最近は疎遠になってしまったのが残念です。
また兼啓介刀匠の鍛錬場は立杭焼の里の中にあり、大変ロケーションの良い所です。
本作は兼啓刀匠33歳の作品で、若さ溢れるエネレルギーがヒシヒシと感じる刀です。
「拵 Koshirae」
ハバキ(habaki) :銀無垢一重の腰祐乗。
鞘(saya) :白鞘。(鞘には直筆のサインが有ります)
「刀剣の状態 condition of blade」
研:概良好です。
傷:欠点に成るような傷は有りません。