説明
「体配 style」
鎬造り庵棟、身幅広く重尋常、鳥居反り大鋒。茎は生で鑢目は筋違い、茎尻は栗尻。
「彫物 carving」
片チリの棒樋が茎尻まで、掻き通しと成る。
「地鉄 jigane」
小板目が良く摘み、地沸付き、地景が入る。
「刃紋 hamon」
小沸出来の互の目で足良く入り、砂流し頻りにかかり、刃中は金筋が入る。釯子は乱れ込み小丸に返る。
「特徴 detailed」
宗正光、本名も同じ、明治38年8月9日生まれ。昭和17年より「昭和の大業物」また,「今虎徹」の異名を持つ「小宮四郎国光」に入門し作刀を修業。終戦までは海軍刀を制作した。
戦後は昭和29年に文化庁の作刀承認を受けて作刀を再開、新作名刀展で連続入選を果たす。
また彼は息子の「宗勉」の他、多くの弟子を育成した。
本作は、兵法二天一流第九代師範五所元治先生が特注した刀です。同時に出品している宗兼好刀匠の太刀と一緒に故吉用先生宅から出た物です。茎には好んだ中唐の詩人白楽天の詩の一句「寒流帯月澄如月」と二天一流の思想の頂点と言われる「実相円満之兵法」が切られています。
五所元治先生は、兵法二天一流(第八代宗家青木規矩男の高弟)、関口流居合術の師範で、両流派から免許皆伝を受けています。
また全日本剣道連盟では居合道範士八段、剣道教士七段を受けています。
彼は五所派兵法二天一流を建てましたが、本家の第十一代宗家清長忠直先生が急死したため、清長家の要請により、息子の吉用清先生が本家の十二代宗家を継承した。その後五所派は本家と統合する。
本刀は刀身が二尺五寸五分と長いですが、非常にバランス良く手持ち軽く、流石に五所先生が作った刀だと納得させられます。拵を付ければ居合に使えると思います。
非常に貴重な五所元治先生の所持刀、是非この機会に手に入れて下さい。
「拵 Koshirae」
ハバキ(habaki) :銀無垢二重。
鞘(saya) :白鞘。
「刀剣の状態 condition of blade」
研:良好です。
傷:欠点に成るような傷は有りません。