説明
「体配 style」
鎬造り庵棟、身幅やや太く重厚、反りは深く小鋒。茎は生で鑢目は筋違い、茎尻は栗尻。
「地鉄 jigane」
板目肌が流れ心と成り、乱れ映りが見事に入る。
「刃紋 hamon」
匂口の締まった小丁子、足良く入り、刃中金筋が入る。釯子は刃文成りに入り、焼き詰と成る。
「特徴 detailed」
筑州住宗兼好作、無鑑査宗勉刀匠の御子息で無鑑査宗正親刀匠の兄、本名宗正康、平成の大業物笹露の作者として有名です。
また現在は転職されて作刀はしておりません。
本作、古備前派の刀匠吉用を写した太刀です、古備前の小丁子刃を見事に再現しただけでなく、地鉄の乱れ映りが凄まじいです。
本太刀の注文者は、兵法二天一流十二代宗家吉用清先生です。
ご自身の苗字である吉用と同じ、古備前派吉用の太刀の写しを発注したものと思われます。
——-以下、Wikipediaより引用。———-
吉用 清(よしもち きよし、1948年〈昭和23年〉 – 2020年〈令和2年〉1月4日)は、日本の剣術家。兵法二天一流第12代宗家。居合道教士七段。剣道四段。
[経歴]
1948年、大分県宇佐市出身。父は第8代宗家・青木規矩男の高弟、五所元治(英語版)。幼少時から関口流居合道、剣道を学び、高校時代から二天一流の修行を始める。その後、県外で就職したが三十代に帰郷し、地元の貴金属会社に務めながら、平成6年(1994年)に関口流、平成10年(1998年)に二天一流の免許皆伝をした。
第11代宗家・清長文哉が平成16年に次代を指名しないまま急逝したので、親族門人たちによる協議の結果、三周忌にあたる平成19年(2007年)に第12代宗家に推挙された。以降、第9代宗家・清長忠直から宇佐の地を本拠としてきた二天一流の鍛錬と伝承に務め、広く海外にも門弟を増やした。
70歳で退職し、宗家の活動に専念しようとした矢先に癌が発覚。2020年1月4日、別府市内の病院にて死去した。
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付属する太刀拵の金具の制作者は、無鑑査装剣金工師の古山如山。本名古山義和、岐阜県羽島市にて工房を構えていましたが、数年前に他界されました。古山先生は全日本剣道連盟 居合道の教士八段(無双直伝英信流)でも有られました。
太刀の金具には吉用家の家紋、三本骨扇が散りばめられる。また本太刀金具は痛みが無く、良好なコンディションを保っています。
本太刀は吉用先生の所持品です。兵法二天一流を修行されている方、吉用先生をリスペクトされている方々、この機会をお見逃しなく。
「拵 Koshirae」
ハバキ(habaki) :素銅地金着一重の縦鑢。
鍔、切羽(tsuba.seppa):銀無垢太刀鍔、銀無垢太刀切羽(如山の銘入り)。
太刀金具(tachikanagu):銀無垢太刀金具。
目貫(menuki) :銀無垢三本骨扇家紋図目貫。
柄(tsuka) :下地は正絹緞子、柄糸は正絹薄茶色の諸摘み巻。
鞘(saya) :金梨地塗鞘。
「刀剣の状態 condition of blade」
研:概ね良好です。
傷:欠点に成るような傷は有りません。