説明
「体配 style」
鎬造り庵棟、身幅重尋常、反りやや浅く小鋒。茎は生で筋違い鑢がかかり、茎尻は栗尻。
「地鉄 jigane」
小板目良く詰んで地沸付き、肌が流れる。
「刃紋 hamon」
沸づいた互の目乱れに丁子が交じり、刃中に足が入り砂流しが長くかかる。釯子は直ぐで掃け心になり小丸に返る。
「特徴 detailed」
文殊重國、紀州藩のお抱え藩工、初代重國は生国大和で手掻派の刀工、徳川家康の招へいにより駿府へ参じる。
その後、駿河に入府した家康の十男頼宣の紀州移封に 従い和歌山に移住する。重國の作柄は相州伝と大和伝の二種類が有ります。また日光東照宮所蔵の重國(南紀重國)の刀は国宝に指定されており、江戸時代初期の代表刀工です。重國の文珠家は幕末まで続きますが、三代までが飛び抜けて出来が良いと言われています。
本作は、神津伯先生の旧所蔵品で、東京帝室博物館(現在の国立博物館)に保管されていました。
勿論、神津伯先生著作の新刀鍛冶綱領図録に掲載されています。
また昭和21年10月14日に警視庁から発行された所持許可証と、昭和26年の貴重刀剣認定書、神津伯先生が国博物立館の便箋に直筆で書いた、本作の所感が付属します。
それから先生の鑑定では、二代文珠重國と成っていますが、「重」の字体から三代文珠重國と思われます。
現在は保存刀剣しか付いていませんが、特別保存刀剣の合格は間違い無いでしょう。
「拵 Koshirae」
ハバキ(habaki) :素銅地金着二重。
白鞘
「刀剣の状態 condition of blade」
研:古研ぎのため曇っています。(拭い直せば素晴らしくなるでしょう)
傷:欠点に成るような傷は有りません。