説明
「体配 style」
鎬造り庵棟、身幅重尋常、中反りで中鋒。茎は生ですが、区が1寸程送られています。鑢目は筋違いで茎尻は栗尻。
「地鉄 jigane」
小板目肌が微塵に詰んだ精美な鍛えに地沸つき、地景細かによく入る。
「刃紋 hamon」
焼き出しは互の目、その先は小沸出来の中直刃に小足入る。釯子は直ぐに入り小丸に返る。
「特徴 detailed」
初代正廣子、初銘正永、武蔵大掾、武蔵守受更に寛文五年河内守に轉じ正廣と改む、
元禄13年8月6日行年73歳にて逝く。
本作、区が1寸程送られていますが、刃長はまだ2尺3寸1分も有り、元々は2尺4寸以上の刀だったのでしょう。
刃紋は焼き出しを互の目、その先は中直刃で焼いた珍しい刀身で、多分注文打ちだったのでしょう。
「拵 koshirae」
ハバキ(habaki) :銀地金鍍金の一重ハバキ。
鍔(tsuba) :鉄地鶴の図。
縁頭(fuchikashira) :赤銅磨き地獅子図。
目貫(menuki) :金地獅子図。
柄(tsuka) :鮫は親粒が付き巻鮫、柄糸は正絹黒の諸捻り巻。
鞘(saya) :黒石目塗。
「刀身の状態 condition of blade」
研:概ね良好です。
傷:欠点に成るような傷は有りません。