説明
体配は鎬造り庵棟、身幅やや細く重尋常、鳥居反り、中鋒。茎は50mmほど磨り上げられ、鑢目は化粧鑢、茎尻は一文字に切られる。
「地鉄」
地鉄は板目肌が良く詰み、地色明るく細かな地景が入り、地沸厚く付く。
「刃紋」
焼きの間隔の詰まった互の目丁子乱れを主体に、小互の目、尖り風の刃を交え、刃縁沸匂い厚く付いて明るく、刃中互の目足、金筋、砂流し頻りに掛かる。 帽子は乱れ込んで沸付き金筋頻りに掛かり、先大丸風に掃き掛け返る。
「特徴」
藤原是一は、本名政太郎と言い、文化十四年生まれ、米沢の刀工で加藤綱俊の甥です。
初め綱俊に学び、江戸に出て六代重二郎是一没後に家を継ぎ、七代目是一を襲名する。
相州伝と備前伝のかかった相伝備前が得意で、石堂是一の系統では最も技量の優れた刀工と評価が高く、門人には松軒元興、勝村徳勝らがいる。
天保十四年九月に、浜御殿に於いて鍛刀した功績で生涯五人持を賜わり、葵の紋を茎に切る事を許され、更に文久元年には、上杉家より生涯一人持を賜る。
明治初年には高橋長信らと共に新政府の召に応じた。明治二十四年に鬼籍に入る、去年七十五歳。
本作、明治新政府に雇われた頃の作品です。茎は磨り上げられていますが刀身の出来は素晴らしく、流石新々刀上々作です。
また拵も素晴らしく、リビングや床の間に飾れば、凄く映えるでしょう。
「拵」
ハバキ:素銅地一重の変わりハバキ。
鍔 :赤銅磨き地、片切彫り彫り鍾馗の図、金覆輪。
縁頭 :赤銅魚子地龍の図。
目貫 :赤銅地金色絵龍の図。
柄 :鮫は親粒が付き巻鮫、柄巻は正絹江戸紫色の諸摘み巻き。
鞘 :螺鈿蒔絵鞘。
「刀身の状態」
研:良好です。
傷:欠点になるような傷は無いです。