説明
「刀姿 sword figure」
体配は鎬造り庵棟、身幅重尋常重、鳥居反り、中鋒。茎は生で化粧鑢がかかり、茎尻は刃上がりの栗尻と成る。
「彫物 carving」
彫物は片チリの棒樋が鎺下に掻き流しと成る。
「地鉄 jigane」
地鉄は小板目肌に地沸厚く付く。
「刃紋 hamon」
刃紋は、互の目乱れで、尖り刃を交え足良く入り、砂流しかかる。刃中は葉、金筋が入る。帽子は乱れ込み小丸に返る。
「特徴 detailed」
建依別住靖國作之、本名は刈谷直治、大正6年11月10日の生まれ。昭和12年4月、靖国神社(財)日本刀鍛錬会に入会、小谷靖繁 刀匠の先手を勤め、昭和18年に陸軍受命刀匠の認可後は、土佐日本刀鍛錬組合で鍛刀する。 終戦後は、GHQにより日本刀制作が禁止されたが、昭和26年9月のサンフランシスコ講和条約締結により作刀が解禁となり、その記念刀を作る。 その後、旺盛な作刀意欲を維持し続け、作刀に励み、新作名刀展・入選19回。新作刀展覧会・入選5回、高知県展・入選 20回以上という多大な功績を残す刀匠です。また最後の靖國刀匠としても有名な方で、映画「靖国YASUKUNI」にも出演されました。 それから建依別と言うのは土佐の古名で、古事記によれば、四国は、「一身にして四面、伊豫を愛比売(えひめ)、讃岐を 飯依比古(いいよりひこ)、阿波を大宣都比売(おおげつひめ)、土佐を建依別(たけよりわけ)という。」と記されています。
本作、居合用に特注されたものと思われ、二尺四寸六分の長さに、抜身が878gと軽く手持ちバランス良く仕上がっています。 また鞘は印籠刻みの鯉口部分を含む鞘全体を、親粒が付いた鮫の一枚革を張って研ぎ出した物、縁頭コジリは銀無垢の一作 と、高級な仕様と成っています。
刀身、拵の状態から見ると居合での使用頻度すくないと思われます。
この機会を見逃さず、ぜひ最後の靖国刀匠の刀をゲットして下さい。
「拵 Koshirae」
鞘は印籠刻みの鯉口部分を含む鞘全体を、親粒が付いた鮫の一枚革を張って研ぎ出した物です。
鯉口裏側の削れは殆ど無くコンディションも良好です。
ハバキ(habaki) :素銅地一重の庄内鎺。
鍔(tsuba) :鉄地竹籠の図(新品)。
縁頭(fhchikashira):銀無垢肥後山道。
目貫(menuki) :金地水仙の図。
鐺(kojiri):銀無垢舟形鐺(縁頭と一作)。
柄(tsuka) :鮫は親粒が付き黒染、柄巻きは正絹江戸紫の諸撮み巻。
鞘(saya) :鯉口印籠刻み、鮫一枚革巻き研ぎ出し鞘。
「刀剣の状態 condition of blade」
研:横手筋のヒケも無く良好です。
傷:欠点に成るような傷は有りません。