説明
「体配 style」
鎬造り庵棟、身幅重尋常、鳥居反り中鋒。茎な生で切鑢がかかり、茎尻は栗尻。
「地鉄 jigane」
地鉄は、良く鍛えた杢目肌に地沸付く。
「刃紋 hamon」
刃紋は、小沸出来の直刃がやや湾れ、刃中金筋が入る。釯子は直に入り小丸に返る。
「特徴 detailed」
久留米住祐利、備前の名工 横山加賀介祐永の門人で、幕末の久留米藩有馬家の御抱刀工です。
本作は、廃藩置県(明治4年7月14日)の前年に作られた刀です。彼は久留米藩工として、幕末に多くの刀を作ってきましたが、明治に入ってからの刀は少なく貴重な一振りです。
拵は明治初期に、刀と一緒に作られた物で、柄巻き、鞘塗りもオリジナルのままです。
また、柄が長く手持ちのバランスがよく、刀身の平肉が薄目なので、試斬にも良いと思います。
銘は良いので、保存審査に出すのも良いと思います。
「拵 koshirae」
ハバキ(habaki):素銅磨き地の一重。
鍔 (tsuba):鉄地長円がた鍔。
縁頭 (fuchikashira):鉄地肥後。
目貫 (menuki):赤銅地茸の図。
柄 (tsuuka):柄巻きは鉄紺木綿糸の諸捻り巻き。
鞘 (saya):暗主石目地。
「刀身の状態 condition of blade」
研:古研ぎですが、概ね良好です。
傷:欠点に成るような傷は有りません。