説明
「体配 style」
体配は鎬造り庵棟、身幅重尋常、鳥居反り、中鋒。茎は生で鷹羽鑢がかかり、茎尻は栗尻と成る。
「地鉄 jigane」
小板目が良く詰み、地沸付く。
「刃紋 hamon」
互の目、尖り刃を交え、匂口冴え、刃中葉が入り。帽子は乱れ込み小丸に返る。
「特徴 detailed」
兼道は岐阜県関市長住町の刀匠で、本名を小島時次郎と言い、明治三十五年七月に生まれる。はじめ善定兼吉門人の小島正勝に学び、のちに渡辺兼永門人となる。 初銘は兼時としたが、中山博道氏来関の時、博道の道の字を賜って、兼道を名乗る。陸軍受命刀工。現代美濃伝を継承し門人を数多く育てた、現代美濃伝中興の祖である。先の大戦時には国の刀も鍛えており、展覧会でも高い技量を示して特選など 多数の受賞するなど関の代表的な刀匠として名工ぶりを遺憾なく発揮した。現在では孫の二代目兼道、曾孫の二代目兼時が活躍しその技を今に伝えている。
本作は、柄糸の状態、鯉口内側の状態や横手筋の状態から見て、居合や試斬では未使用だと思われます。ただ刀身に沿ったヒケ、薄錆が有りますが、軽い研ぎで取れます。
また鞘は塗料が剥がれた所を補修しています、これも塗り直しで直ります。
このままで直ぐに試斬に仕えますが、刀身を拭い直し鞘を塗り替えれば、見事な初代兼道の刀が蘇り、コレクションとして最高の一振りと成ります。
今回、敢て現状のままの出品とし、格安で提供させていただきます。
「拵 Koshirae」
ハバキ(habaki) :素銅地一重の磨き地。
鍔(tsuba) :鉄地海鼠透かし。
縁頭(futikasira):肥後唐草の図(鐺と一作金具)。
鐺(kojiri):肥後唐草の図。
目貫(menuki) :一輪菊のず。
柄(tsuka) :鮫は親粒が付く。柄糸は金茶色の諸捻り巻き。
鞘(saya) :黒石目。
「刀剣の状態 condition of blade」
研:古研ぎのため、ヒケ、薄錆が有ります。
傷:欠点に成るような傷は有りません。