説明
「体配」
鎬造り庵棟、身幅広く重尋常、鳥居反りで中峰。茎は生で化粧鑢がかかり、茎尻は刃上がりの剣形。
「彫り物」
片チリの棒樋がハバキ下に掻き流しとなる。
「地鉄」
良く詰んだ杢目肌に地沸が付く。
「刃紋」
互の目乱れで、帽子は乱れ込み小丸に返る。
「特徴」
豊前住河野貞光、本名は河野博、昭和二十五年生まれ。福岡県京都町犀川にて鍛刀していましたが、惜しくも十数年前にお亡くなりに成りました。師は人間国宝の月山貞一刀匠です。
月山貞一の門下中でも腕前高い刀工で技量優秀により、師より”貞”の一字を戴き、以後、「貞光」と名乗ります。地鉄造りの美しさは文句なし、出来は当然のこと素晴らしく、更に貞光は、折れず曲がらずに良く斬れる日本刀を追求されており、斬味では大業物匠中随一とかなりの定評が有ります。その凄まじい斬れ味から「今虎鉄」と呼ばれ、武道家にも絶大な人気を誇る刀匠です。貞光刀匠がご存命の頃は弊社の製品もよく製作していただきました、しかしお亡くなりに成られてからは手放す方が少なく滅多に市場には出回りません。業者のオークションでも殆ど見なく成りました。今回2年ぶりくらいに業者オークションに出品されたため、競合他社と競って、やっと手に入れました、また、本作は河野貞光の単独銘です、河野國光、貞光の合作銘は多いですが、単独銘は少なく、より貴重です。刀身は拭い直したばかりで綺麗です。拵のコンディションも良いです。
しこし高価ですが、河野貞光を探していた方、是非この機会をお見逃しなく。
｢拵 Koshirae｣
ハバキ(habaki) ：銀無垢一重の庄内ハバキ
鍔(tsuba) ：鉄地海鼠透かし葡萄真鍮象嵌。
縁頭(futikasira)：肥後鉄地唐草金象嵌。
目貫(menuki) ：倶利伽羅の図。
柄(tsuka) ：鮫は黒染。柄巻きは牛表革黒の諸捻り巻き。
鞘(saya) ：黒呂。
｢刀剣の状態 condition of blade｣
研：良好です(拭い直したて）。
傷：欠点に成るような傷は有りません。
