説明
「体配 style」
体配は鎬造り庵棟、身幅重尋常、鳥居反り、中鋒。茎は生で鑢目は筋違い、茎尻はやや刃上がりの栗尻と成る。
「彫物 carving」
片チリの棒樋が、ハバキ下に掻き流しとなる。
「地鉄 jigane」
板目肌が流れ柾と成り、地景入り、地沸厚く付く。
「刃紋 hamon」
互の目、尖り刃を交え足良く入り、緑刃砂流し栄んにかかり、刃中金筋が栄んに入る、帽子は乱れ込み掃き掛け尖り気味に返る。
「特徴 detailed」
関住正直、本名は中田勝郎。昭和18年3月14日生まれ、岐阜県関市鋳物師屋町在住で義父の兼秀刀匠に師事する。正直刀匠の刀は戸山流の方が良く使っておられ、故河野貞光刀匠に匹敵する隠れた大業物として、試斬をされている方々の中では有名でしたが、2015年2月16日に他界されました。
本作は、正直刀匠38歳の作で覇気に満ちており、美術刀剣として納品した作品だと思われますが、義父の兼秀刀匠直伝の柾目肌を鍛えた頑丈な造り込みをしています。正直刀匠の刀は晩年作は元より、昭和後期の作品でも良く斬れ、尚且つ刃先のなまりが無く、正しく昭和から平成にかけての大業物と呼べるでしょう。
拵は江戸時代の金具を使って作られており、鎺は素銅地に金着の高級品です。拵と刀身の状態から見ると居合や試斬では未使用で、コレクションとして保管されていたのでしょう。
この状態の良い大業物関住正直作、コレクションとして持つのも良し、居合や試斬で使うのも良しです。
「拵 Koshirae」
ハバキ(habaki) :素銅地金着二重。
鍔(tsuba) :鉄地菊に雁金透かし。
縁頭(futikasira):赤銅磨き地雲龍の図。
目貫(menuki) :赤銅金色絵雲龍の図。
柄(tsuka) :鮫は親粒が付く。柄巻きは正絹納戸色の諸撮み巻き
鞘(saya) :黒呂。
「刀剣の状態 condition of blade」
研:良好です。
傷:欠点に成るような傷は有りません。