説明
「体配 style」
鎬造り庵棟、身幅広く重尋常、鳥居反りで中峰が伸び心と成る。茎は生で鷹刃鑢がかかる、茎尻は刃上がりの栗尻。
「彫物 carving」
彫物は表裏に片チリの棒樋がハバキ元で丸留と成る。
「地鉄 jigane」
良く練れた杢目肌が詰み、地沸微塵に付く。
「刃紋 hamon」
刃紋は尖り互の目で、俗に言う三本杉、刃中砂流しよくかかり、太い互の目足が刃先に向かって伸びる。帽子は乱れ込み小丸に返る。
「特徴 detailed」
二十七代兼元、本名は金子達一郎、大正13年1月26日生まれ、関市にて作刀されていました。始め父の二十六代兼元金子眞一郎刀匠に師事、その後昭和12年関市日本刀鍛錬塾に入塾、渡辺兼永刀匠に師事する。昭和19年に二十七代兼元を襲名、戦後は新作刀展に出品し 数々の賞を受賞する。また昭和49年に日本刀鍛錬道場を造り、後輩の育成にも力を注ぎ、昭和55年関市産業功労賞受賞、平成元年関刀匠会会長就任、平成9年には岐阜県重要無形文化財に指定されました。 そして平成20年1月24日、83歳で亡くなられました。 本作、兼元刀匠59歳の作で円熟期の作品で、得意とする三本杉を見事に焼き上げています。後年は居合用の軽い刀を作っていましたが、本作品は豪壮な造りから美術刀剣として作られた物でしょう。
「拵 Koshirae」
ハバキ(habaki) :銀無垢一重の庄内ハバキ。
鍔(tsuba) :鉄地勝虫透かし。
縁頭(fhchikashira):銀無垢勝虫の図。
目貫(menuki) :銀無垢勝虫の図。
柄(tsuka) :柄は親粒が付き巻鮫を黒染。柄糸は牛表革黒の諸捻り巻。
鞘(saya) :蛭巻鮫革研ぎ出鞘。
「刀剣の状態 condition of blade」
研:ヒケが有りますが、その他は良好です。拭い直せば素晴らしく成ります。
傷:欠点に成るような傷は有りません。