説明
「体配 style」
鎬造庵棟、身幅重尋常、鳥居反りで反り頃合い中鋒。茎は生で鑢目は切、茎尻は栗尻。
「彫物 carving」
片チリの棒樋がハバキ下に掻き流しと成る。
「地鉄 jigane」
板目肌が流れ心となり、地沸微塵に付く。
「刃紋 hamon」
小沸出来の直刃、刃緑砂流しかかる。釯子は直ぐに入り小丸に返る。
「特徴 detailed」
肥前國忠次、本名を中尾三治郎、明治43年5月1日生。堀井信秀、桜井正次に作刀を学び、海軍受命刀工としても活躍。終戦後は作刀技術発表会、新作名刀展において多々の受賞を果たしました。地鉄の鍛えの上手さに定評があり、よく詰んだ杢目肌に匂い出来の互の目刃文、備前伝の逆丁子乱れ、山城伝の直刃、肥前忠吉に倣った作品を手がけています。肥前國一吉、本名を中尾一吉と言い、昭和14年11月7日生。昭和30頃より父忠次の下で作刀を学び、新作刀展では優秀賞受賞を初めとし、奨励賞に続いて、努力賞等、たて続けに入賞を果たし才能を発揮していきます。
本作、重量軽くバランス良く、居合に最適な刀です。
「拵 Koshirae」
ハバキ(habaki) :銀無垢一重の庄内。
鍔(tsuba) :鉄地矢羽の図。
縁頭(futikasira):半太刀金具。
目貫(menuki) :金地桜の図。
柄(tsuka) :柄糸は正絹黒色の諸摘み巻き。
鞘(saya) :黒呂
「刀剣の状態 condition of blade」
研:古研ぎのため、少し曇っていますが、地刃は良く見えます。錆は有りません。
傷:欠点に成るような傷は有りません。